MEDETABERU
読書の秋。僕も図書館で本を読んでる。皆さんはどんな本を読みますか?僕のお気に入りは古事記。1000年以上昔の日本人からの手紙。タイムカプセルを開けるような気持ち。実は現存するのは写本ばかりで今のところ原本は見つかっていないんだけどね。。。このへんの話はまた別の機会にでも。
それよりも「目でたべる」好例を見つけたのでちょっとご紹介。下の写真は泉北泉が丘駅付近にあるなんてことない料理屋(創作割烹湖泉)での昼食。泉が丘図書館で読書してお腹すいたからちょっと立ち寄ってみた。五島列島直送のサバの煮つけ・惣菜・香の物・赤だし・左奥の茶わん蒸し・右奥の湯豆腐がセット。これでなんと850円(ビンボー人の僕でも食べれる。。。)。見た目もきれいでおいしそうでしょ。湯豆腐にはもみじ型の人参が乗っかって、煮つけの上には山椒の葉。まさに「目で食べる秋」。ご飯もおかわり自由なのにツヤツヤした炊き上がり。すばらしい。おいしかったです。

2016/10/03記

会社への道すがら田んぼを見ると稲穂が頭を垂れている。
ついこないだまでピンと真っ直ぐ伸びていたのに。。。お米が出来てきたんだな。クリごはんやマツタケごはんを想像してると殺伐とした職場への道中も結構楽しい。
遠くまで澄んだ青空を見ていると「秋は天高く馬肥ゆる哉」の一節を思い出した。食べ物がおいしい時期だな、等とぼんやり考えていた。
でも、もともとはそんなのどかな話じゃないらしいね。中国人が騎馬民族の襲来を警戒する戒めの言葉というのが起源みたい。なんかイメージ180度変わってしまうね。趣もへったくれも無いね。
2016/09/07記

今年の夏も暑かったね〜。何というか35度超えてくると日差しが痛い。台風が上陸してから朝夕は随分過ごしやすくなった。エアコンも使ってない。
こうなってくると、そろそろ秋の味覚が恋しくなってくるよね。ダイエーの鮮魚売り場にもサンマがお目見え。
ダイエーは儲かってないから店内の雰囲気は年中一緒だけど生協は変更してくる。秋になるとオレンジと茶色を主体にしたディスプレイが増えて秋山のイメージを演出する。
前報の研究では季節による色の嗜好についても触れている。森重氏1)は飴玉を使って調査している。用意したのは赤、橙、青、黄、緑、ひき茶、黒、紫、無色。幼稚園児、小学生、中学生、高校生、大学生に夏と冬の時期に好きなのを選ばせたらどうなったか。
結果、夏には青い飴が多く選ばれ冬には黒い飴が多く選らばれた(いずれも統計的に有意)。
夏に青はなんとなくわかる。海、青空、水、涼しさを感じられるもんね。でも、冬に黒かー。ちょっと微妙な気分。もっと赤系の暖かそうな色が選ばれると思ってた。飴だからかな?服だったらどうなるんだろう。対象物によって変化しそうな気がする。
2016/09/01記
1)T. Morishige et. al., 調理科学, Vol. 14, No. 4, 247-252 (1981).

生まれてから成長するにつれて食べ物の嗜好はどんどん変わる。僕の長女もお菓子だのケーキだのと言っていたのがいつの間にやら日本酒を冷で飲みながらやっぱりおつまみは塩気のあるものが欲しいねとか。。。おっさんかよ。
森重氏1)は成長に伴う嗜好の変化を色々調べていて面白いね。情報が盛りだくさんなので何回かに分けて紹介したい。彼女は飴玉を使って調査している。用意したのは赤、橙、青、黄、緑、ひき茶、黒、紫、無色。被験者は幼稚園児、小学生、中学生、高校生、大学生。彼らに好きなのを選ばせたらどうなったか。
幼稚園児の女の子は圧倒的に赤を選んで、男の子は青を選ぶんだね。それが成長して大学生にまでなるとどうなるか。。。実は多様化が答え。つまり、どの色にも均等に嗜好が分かれるんだな。これらの結果は単純なようで実は奥が深い。男の子が青を選んで女の子が赤というのは、明らかに子供が自分の性別を意識しだした表れなんだろうね。それが成長とともに個人の形成が進み結果として、嗜好も分散してゆくんだね。まさに人の精神的成長の軌跡だと思う。
個人的に興味があるのは、逆にもっと幼少期に戻っていくと男女差もなくなり嗜好が一点に収束するんじゃないかということ。その色は何だろう。赤と青を混ぜた紫?それとも色の認識も発達段階で異なるなら最初は白か黒?うーーん。
2016/07/04記
1)T. Morishige et. al., 調理科学, Vol. 14, No. 4, 247-252 (1981).

子供の頃どんなお菓子を食べていましたか?記憶している限り一番古いのは、粟おこし・ニッキ飴かな?チョコレートも当時あったような気がするけどうちには無かったな。
ハッキリ言ってどちらもあまり好きではなかった。硬すぎるでしょ幼児には。ニッキ飴なんかあの香を嗅ぐとおばあちゃんのシップの香を思い出す。
幼稚園の頃には隣の家に住む女の子がアポロチョコレートを食べてカルピスを飲んでいた。人生初のカルピスはお隣で頂いたんじゃなかったかな?当時の僕にとって彼女はちょっとしたセレブな存在だった。僕もこのころにはアイスクリーム・グリコのキャラメル・三ツ矢サイダー・コカコーラを楽しんでいたように思う。
オマケつきのキャラメルって画期的だよね。当時オマケをいろいろ集めて仮想軍隊を構成して戦争ごっことかするのが楽しみだった。もちろん一人遊びだよ。1人4役くらいで遊んでた。一日中独り言で遊んでる僕を見て当時母親は障害があるんじゃないかと疑っていたみたい。まあわかる。
2016/06/30記

確か人の脳が行う情報処理の7〜8割は視覚情報だったと思う。百聞は一見に如かずなんて言うけど何だかんだ言っても見た目の印象は脳へのインパクトが大きいよね。人の評価は心だよ!とかいろいろ理由づけはしてみるもののやっぱりきれいな女性、カッコイイ男性はポイントたかくなる。
ところで商品においても似たようなことがある。値段と品質。ラオ氏1)は、消費者は値段と品質の間に正の相関を期待していることを示してくれてる。まあ当たり前じゃん。。。と思うけど、これは値段によって品質レベルをある程度コントロールできることを示唆するもので、商売するものにとっては結構シリアスな問題だったりする。
ヨハン氏2)は4000円程度のワインを何も知らずに飲んだ場合、値段を聞いてから飲んだ場合、飲んでから値段を聞いた場合の3通りでワインに対する評価がどうなるかな?というのを調べている。面白いのは、男性の場合事前に値段を聞いてから飲んでも何も知らずに飲んでもあまり評価は変わらなかったのに対して、女性は何も知らずに飲んだ場合に比べて、値段を知って飲んだ方がワインに対する評価が高くなっている。女性の方が値段の影響が強く表れるということだな。10,000円とか書いた値札ぶら下げとけばアメリカ産牛肉も神戸牛と勘違いしてくれそうだよね。
そういえば、どこかの料亭で似たような食品偽装があったな。ささやき女将事件だったかな?

カッコイイ写真あったから拾ってきたけどこの女性を僕に置き換えるだけでワインの価値はきっと半減するんだろうな。。。
2016/06/22記
1)Rao, Akshay R. and Kent B. Monroe, Journal of Marketing Research, 36, 351-357 (1989).
2)Johan Almenberg and Anna Dreber, “When does the price affect the taste? Results from a wine experiment”, American Association of Wine Economists, AAWE Working Paper No. 35, Economics (2009).

皆さんは日本酒飲みますか?僕はいい酒が手に入ったときだけ飲みます。石川とか新潟のお酒が好きかな。どちらかというと辛口の冷酒が好み。
日本酒を買う時に困るのが試飲できる店が殆ど無いというところ。店の気持ちも分かるから無理言えないけど、パッケージの情報を頼りに選ぶのは結構な博打ですな。
以前シアトルの知り合いの家に厄介になった時、手土産に広島の酒を下げて行ったことがある。甘口が好みと聞いていたので甘口を選んだけど、飲んでみたら甘すぎ。。。残念。この時初めて、日本酒の辛すぎは飲めても甘すぎは飲めん!ということを知った次第。
ということで、パッケージのコピーはとても重要。大塚氏1)は日本酒に対する表現と飲みたくなるかどうかの関係について調べてくれている。飲みたくなる表現は「やわらかな含み香、桃のような瑞々しさと張り」「軽やかで滑りのいい喉越し、凛としたキレ、魚料理と一緒にスルスル飲みたい北陸の酒」、飲みたくない表現は「素直においしく値段もうれしい」「この味でこの値段はすごい」らしい。なるほどなーと思った。折角うまい酒飲むのにコスト勘定なんて無粋もイイトコ。きっと本当にお酒を楽しむ人は、酒を飲む時間と空間の両方を楽しんでいるんだろうね。そういえば僕も酒選びながら肴のことやテレビ見ながら飲む情景をイメージしてるな。皆さんは如何ですか?
2016/06/20記
1)Hiroko Otsuka, “Analysis for Evaluated Expression of Tasting Japanese Sake”, The 18th Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2004, 2D2-11.

色はそれ自体たくさんのイメージを含んでるよね。日本人なら赤といえば血やリンゴの他に危険とか、怒りのような感情も含まれる。
サラ氏1)によるとエジプトじゃ赤は死をイメージするしフランスでは上流階級のイメージがあるんだって。面白いよね。食べ物を売り込むならパッケージングや商品そのものの色なんかも売り込み先の国情や文化も理解しとかないと失敗するよ!ってことですな。
ヘムフィル氏2)は、女性は男性よりも寒冷色を好む傾向が強く76%にものぼることを指摘しています。女性が好む色は青、橙、黄、紫、緑、赤らしい。ボヤティス氏?3)は7歳児が黄色を好む傾向は大人よりはるかに強いと指摘している。性別や年齢も商品戦略においても色の選択は外せない問題ということだね。
日本酒も女性や外人への売り込みが今後更に強化されていくと予想できるけど、酒蔵メーカーのカラー戦略に期待したい。そういえば最近は薄い水色の瓶入り日本酒をよく見かけるようになったな。典型的な女性ねらいの商品なんだろうね。
2016/06/17記
1)https://udel.edu/~rworley/e412/Psyc_of_color_final_paper.pdf
2)Hemphill, Michael. “A note on adults’color-emotion associations.”The journal of genetic psychology 157.3 (1996): 275-280.
3) Boyatzis, Chris J., and Reenu Varghese. “Children’s emotional associations with colors.”The Journal of genetic psychology 155.1 (1994): 77-85.

日本人は一般に箸を使って食事するけど、お箸の歴史は結構古い。もともとは中国みたいだけど奈良時代に日本に渡ってきたとか。本当なら多分仏教といっしょに入ってきたんじゃなかろうか?
他にも実は縄文時代にすでにあったとか諸説あるみたい。箸を使うのは世界的には少数派のように感じるけど実は世界の人口比で3分の1になるらしい。結構すごいよね。
西洋人はもちろんフォーク、スプーン、ナイフだ。こうした食器類と味覚などに関する調査は残念なことに箸について見つけられなかった。
バネッサ氏等1)の報告ではヨーグルトを食べる場合、より軽いプラスチックスプーンの方が濃厚で高級感が得られるらしい。ちょっと意外な感じがするね。というか何故ヨーグルトを選んだかな??ライスとかスープとかにしてくれれば汎用性があったように思うのだが。。。
ステーキとか絶対に軽いナイフとフォークじゃ残念なイメージしか湧かないなー。

2016/06/13記
1)Vanessa Harrar and Charles Spence,” The taste of cutlery: how the taste of food is affected by the weight, size, shape, and colour of the cutlery used to eat it”, Flavour 2013, 2:21

皆さんはどんな食卓でごはん食べてますか?
テーブルに決まってるジャナイカ!と言われそうですが。それでもちょっとセレブな大理石調のテーブルで食べるのと、シミのついたメラミン化粧仕上げの安物テーブルでは同じカレーでも味が変わるような気がしませんか?
星野氏1)はそんな疑問にアプローチしようとしている一人。。。だと思う。
彼はテーブルクロスが味覚に影響与えるのかどうかということを調べて報告している。
僕もあまり裕福な環境ではなかったが、たまに母親が新しいテーブルクロス(?塩ビだけどね)に変えてグラタンなんか出してくれた時には一匹もエビが入ってないのに何故か脳内では大振りのプリプリのエビが自動的に補完されてリッチな気分に浸ったものです(遠い目)。
まあ、みんなどこかでこんな錯覚を経験してるんじゃないかな。 星野氏は、赤、黄、緑、青、紫、白、黒のテーブルクロスで甘味感覚に影響が出るかどうか調査したけど結果は統計的な差異は見られなかったようだ。
まあ、でも食事を楽しむという観点でいえば味覚以外の感覚(妄想?)も含む総合的なものだから難しいよね。残念。黄色なら甘味を感じやすいとかだったらダイエット用のマグカップは黄色がイイということになるしね。妄想が広がるのに。。。。
あ、でも前報で黄色は食欲増進効果があったな。
How is your dining table?
Maybe, you say "I use just a table!". But, If you use a marble-like table, you will feel rich rather than a melamine-finished table with blots.
Hoshino1) is one of researchers who study about such psychological phenomena...I think.
He studied about the relationship between color-effect of tablecloth and human sense of taste. In his experiment, he used red, green, yellow, blue, violet, white, black tablecloths. But, significant effects have not be observed. I'm sorry.
I was not born in an affluent household. In my childhood, I used to eat macaroni gratin without shrimp. Curiously, when my mother changed to new table cloth, I could feel big shrimps in it. It was happy for me.
I think, "To enjoy meal might include sense of vision, taste, smell and delusion".
1)テーブルクロスの色が甘味感覚に影響するか, 山口大学教育学部学内刊行物 詳細不明

食べ物の見た目は大事だよね。 昨年の冬に見かけたけどキャラクターものの肉まんはいただけない。特に青いキャラクターの肉まんにはマイッタ。
まあ面白いから買ったんだけどね。でもやっぱり普通の白いホカホカの肉まんが一番安心できる。

昔の研究1)では食品名に対する人のイメージは第一にテクスチャー、第二にフレーバー、第三にカラーだそうです。まあ確かにそんな気がする。色は大事だよね。特にネット販売なんか写真が頼りだもんね。 奥田氏2)のグループは20代の男女で色々調べた結果、食べ物の色が食欲増進に影響すると考えるのは女子のほうが強いことを示していると同時に、赤、オレンジ、黄色は食欲増進。黒、茶、紫、青は食欲減退すると報告してる。黒と茶色はどうだろう?(チョコレートはどうすんだ!とつっこみたくなる)僕の感覚ではちょっと違うかな。 消費意欲は女性のほうが旺盛だろうから女性の感覚は要チェックということですな。
It is important for dishes to be good-looking. I found a steamed meat bun which has the looking of anime-character. I did not like it because it was colored blue. So I like normal steamed meat bun. In the previous research, it is said that the impression of food is depend on the texture, flavour and color1). I agree, exactly. I think color is important, too. Okuda et al. found that red, orange, yellow are sharpen appetite while black, brown, purple, blue will lose appetite2). How is black and brown? I like chocolate...
2016/06/08記
1)Food Technol., 17, 74-77 (1963).
2)日本調理科学会誌 35(1), 2-9, 2002-02-20
